ボールを山なりに投げるのが特徴の「スローピッチソフトボール」の選手として活躍されている、技術部の中辻さん。先日は世界の強豪30チームが集まる、台湾・高雄市で行われた国際大会に出場されたそうです。今回はそんな中辻さんに、ソフトボールの魅力や、スポーツ経験が仕事に活かされているところ、仕事のやりがいなどを語ってもらいました。

スポーツと技術の道を両立。応援してくれる社風。

──羽衣電機に入社された理由を教えてください。

元々バイクや自動車をいじるのが趣味で、中でもバッテリー周りや電装系、電飾なども好きでしたね。そこで電気のことを学べる学科のある、近畿職業能力開発大学校に進学しました。当社を選んだ理由は、学校で学んだ配線やシーケンスなどの電気の知識が活かせると感じたからですね。あと、家族と仲が良く「地元で就職したい」という気持ちもありました。社風などについては、「正直、働いてみないとわからない」と思っていましたが、いざ入ってみると和気あいあいとした雰囲気で、みなさんの人の良さをとても感じました。

──現在のお仕事内容や、やりがいなどを教えてください。

誘導加熱電源の図面を起こす設計段階からスタートし、必要な部品を選んでそれが来たら組み立ててからテストを実施。その後の出荷作業に至るまで、全工程を担当しています。自らの手で1から10まで携わりながら製品を形にする「ものづくり」は非常に楽しいですね。7年目の今でもまだまだ技術の学びが続く奥深い世界です。もともと配線などは得意だったのですが、基盤などのアナログ回路はイチからの習得になります。難しい領域なので周りに聞いたり、試行錯誤を繰り返しながら技術の習得に勤しんでいます。

──仕事をされながら、スローピッチソフトボールの世界大会に出場されておられるとお伺いしています。遠征や試合に出場する際にサポートなどはありますか?

世界大会に行くときは、2週間程休みをいただくこともあります。その間は上司たちがカバーしてくれて「頑張ってこいよ!」と温かい言葉をもらっています。私としても日本ではマイナー競技のスローピッチソフトボールのことを、もっと多くの方に知ってもらえるようにしたいですね。プライベートで頑張っていることに対して理解がある会社なので、普段からプレイしているソフトボールの試合や練習を大切にしながら、仕事に打ち込める環境が整っています。

速球と山なり。それぞれのソフトボールのおもしろさ。

──ソフトボールをはじめたきっかけや、魅力を教えてください。

高校生まで野球に打ち込んでおり、中学では4番を任されていました。大学から父親の影響もあって、ソフトボールに転向。実際やってみると、ソフトボールはゲームの動きがスピーディーかつ球速も170kmくらいの体感で、その難易度の高さにワクワクと楽しさを感じましたね。例えばバント処理で、野球なら「ショートが飛び込む」という場面がありますが、ソフトボールでそれをすると間に合わずセーフになってしまうので、より素早い動きが必要になる、スリリングなおもしろさがあるスポーツです。

──世界大会には、どんな経緯で出場されたのでしょうか?

普段地元のチームに所属しているのですが、そこに女性のチームがあるんです。その女性チームを率いている監督が、世界的スポーツ大会の中国の元エースだったんです。その監督から「次の世界大会に一緒に出ませんか?」と誘っていただいたのがきっかけですね。スローピッチは男女混合という特徴があるのですが、監督のチームは女性だけで、世界的には男性選手が多かったことから苦戦を強いられていたそうです。そこで、声をかけていただいたという流れですね。日本ではまだマイナーですが、海外ではメジャーで、たとえば韓国チームは女子プロ野球選手が入って活躍しています。

──スローピッチソフトボールのおもしろさを教えてください。

普段は、一般的によく知られているウインドミル投法の速球でプレイする「ファストピッチソフトボール」で試合をしています。それと比較すると、スローピッチは山なりの遅いボールになり、バットもあまり飛ばない木製バットを使用するので違う部分は多いですね。例えば、バッティングも速球なら軌道を計算し“線”で捉えるのですが、スローピッチだと落ちてくる位置に合わせる“点”のインパクトが必要です。そうした違いを埋め合わせる方法はひたすら練習あるのみですね。日曜日に加えて、水曜日の夜も練習に当てるようにしています。スローピッチの魅力は色々ありますが、ボールが遅い分みんなよく打ち、接戦になるゲームが多いところが面白いポイントのひとつですね。

チャンスを迎えたとき、周りのざわめきが消え“ゾーン”へ。

──スポーツを続けていることで、現在の仕事に活かされていることはありますか?

「ここぞ!」というときの集中力ですね。球技スポーツにおいて、一番集中力が高まるのは負けている試合でチャンスが回ってきたとき。普段なら球種を絞るなど頭の中で色々考えてから打席に立つのですが、そういうときは目の前の球だけに集中する“ゾーン”に入り、それが結果につながります。仕事も同じで、忙しい時期などはスピードと精度が同時に求められる場面が出てくるのですが、そんなときは集中力が深まって効率も高まります。そのときの体験が業務改善などにもつながっていきますね。あとは、休日に思い切り動くことでストレスを発散でき、リフレッシュして仕事に臨めるところもスポーツの効用だと思います。

──最後に、会社の魅力について教えてください。

やっぱり「みんなの仲が良い」ということに尽きますね。仕事の合間にコミュニケーションをとるのはもちろん、仲間内でご飯に行くことや家族ぐるみのお付き合いがあることもしばしばです。仕事の魅力としては、配線や設計の技術を習得できたり、誘導加熱理論やコイルの専門知識を深めたりできるので、「同じことの繰り返しではなく、多岐にわたって色々学びたい」という好奇心旺盛な方にとって働きやすい職場ですよ。