工業高校を卒業後、製鉄会社に就職。主に連続鋳造の業務を11年経験し、2023年に転職した佐藤さん。ガス溶接・アーク溶接技能士、クレーン・デリック運転士などの国家資格とともに、ものづくりに対する知見と真摯な姿勢をお持ちです。転職の際、引く手あまたの中から羽衣電機を選ばれた理由や、転職後の率直な感想などを語ってもらいました。

強みの「手先の器用さ」を活かせる仕事への転身を決意。

──職人の道を選ばれたきっかけと、転職を決めた理由はなんでしょうか?

父が技術畑の人間だったので、幼少期から「ものづくり」への憧れがありましたね。中学生の頃にはその気持が固まっていたので工業高校を進路に選び、新卒で製鉄会社に入社しました。前職では大量生産の環境で同じ作業を繰り返す仕事をしていたのですが、もともと「手先が器用という強みを活かしたい」と思っていたので、図面を見ながら試行錯誤しつつ「ものづくり」ができる会社で働きたいと考えるようになりました。また、夜勤や休日出勤もあり激務だったことから「プライベートな時間も大切にしたい」と転職を決意しましたね。

──多くの企業からオファーがあったと思いますが、羽衣電機と出会ったきっかけを教えてください。

転職サイトや、人材紹介会社に3社ほど登録したところ、ありがたいことに20社ほどからオファーをいただきました。中には世界的に有名な大手の外資系企業もあり、10社ほど面談に行きました。そんな中、当社の北田社長から直接「ぜひ力を役立てて欲しい。一度、会社にきてみませんか?」という熱烈なメッセージをいただき、実際にお話を聞くことにしたのです。

──羽衣電機を選ばれた決め手はなんでしょうか?

一番ヒットしたのは、「手先を使って、緻密な仕事ができる」という業務内容でしたね。また、前職で取得した国家資格も存分に活かせそうだと感じました。ワークライフバランス的にも当社の場合は夜勤もないので、家族と過ごす時間も増えると考えて入社を決断しましたね。また、社長から直接お誘いしてもらったということも大きかったです。

「気がつけば1日が過ぎていた」ほど没頭できる面白さ。

──今の仕事での大変さや、面白いと感じるところを教えてください。

銅管同士を「ろう材」と言われる金属を用いて、ガス溶接でつなぎあわせる「ろう付け」という業務を主に担当しています。高度な精度と正確性が求められ、少しでも寸法が合わないとお客様に迷惑がかかってしまうという難しさがあります。ただ、その「きめ細やか」な部分がまさに転職前に望んでいたところだったので大変ではありますが、面白さを感じるところであり「気がつくとあっという間に1日が過ぎていた」というくらい没頭していますね。失敗しても責められることはなく、チャレンジできる環境です。ただ、やり直しをするとその分コストにはね返るので失敗を減らせるように日々腕を磨くことが重要ですね。

──どんなときに「やりがい」を感じますか?

試行錯誤や苦労を乗り越えて図面通りに仕上げることができ、お客様が望んだものづくりができたときの達成感はひとしおですね。「ろう付け」という作業は奥深く、熟練の積み重ねがものをいう職人の世界です。それを以前よりも短い時間でできるようになり、先輩から「とてもキレイに仕上がったね」と褒めてもらえると、成長を実感できる喜びがあります。

あとは個人的なことなのですが「急な水漏れが起こったから、何とかならないだろうか?」と頼ってもらったとき、前職の溶接技術を活かして対応したことが2~3回ほどありました。培ってきたノウハウで課題を解決に導けたとき、技術者として嬉しい気持ちになりましたね。

──以前と今で、職場の環境は変わりましたか?

ガラリと変わりました。前職は溶けた鉄が相手だったので、冬場でも30度くらいの気温でとにかく暑かったんです。また航空機のエンジン音と同じ130デシベルくらいの騒音が鳴り響いていたので、常に耳栓が必要でした。灼熱や騒音に悩まされない今の職場は体に優しい環境ですね。あと、実は前職を辞めた理由のひとつに「人間関係」もあったのですがそこも良好なので働きやすく、スキルアップに専念できるというのはありがたいところです。

腕を磨くことに専念できるのは、職人として最高の環境です。

──転職後の「本音」を教えてください。

先輩や上司たちが丁寧に仕事を教えてくれて、失敗をしても笑って許してくれるだけではなくリカバリーもしてくれるので助けられています。夜勤がなくなり、土日も出勤するような激務からも開放されたので家族と過ごす時間を増やすことができ「転職してよかったね」と言われています。また、「意見交換や発信がしやすい風土」も心地良いと思うところです。以前は組織が大きかったこともあり、改善提案なども「段階を経て提出する」ということが必要でしたが、当社は現場の声に上司や責任者が耳を傾けてくれます。今、男性の主任が育児休暇を取得中なので、経営層に現場のことを報告する会議などに出席する機会があるのですが、入社年次や役職関係なく、わけへだてなく発言できる空気なので活気にあふれていると感じます。

──羽衣電機には、どのような方が向いていると思いますか?

「時間を忘れて、ものづくりに没頭したい!」という人ではないでしょうか。また、発想力が豊かで「あれにも、これにもトライしてみたい」というタイプの方に向いていると思います。あとはシンプルに「やる気があること」ですね。ミスが許されず高い精度のクオリティが求められる仕事ですが、先輩たちが本当に丁寧に教えてくれるので安心です。

技術を伝えるとき、感覚的な部分はどうしてもでてくるので「見て盗む」という場面もありますが、基本的に口で伝えられることは全部教えてくれますし、わからないことはすぐに聞くことができます。階級制度もしっかり整い、頑張りが正当に評価されるので「技術を磨くことに専念したい」という方に、ぜひオススメしたいですね。