中学校から卓球を始め、先生に恵まれて全国大会へ。大学では近畿大会に出場した経験をお持ちの37歳の福永さん。現在も練習を重ねて技術を磨くとともに、試合に出て活躍されているそうです。今回はそんな福永さんに卓球のおもしろさや、仕事と趣味の双方に打ち込めるワークライフバランスのとれた職場環境などについて伺いました。

卓球ショップから、ものづくりの世界へ。

──ものづくりの世界に飛び込む経緯や、きっかけはなんだったのでしょうか?

新卒では全く別の仕事をしていたのですが、「やはり一度は大好きなことを仕事にしたい!」と卓球ショップの接客スタッフに転職しました。しかし、コロナ禍がやってきて卓球ショップは、インバウンド需要も多いため大打撃を受けました。「手に職をつけられる、安定した仕事」を探しているうちに、製造業に思い至りました。もともと歴史好きが高じて大学では民俗学を学んでいて、その中でも“包丁の鍛冶職人の仕事”といった「ものづくり」に興味を持っていたので、思い切って飛び込むことにしたのです。

──卓球との出会いと、魅力について教えてください。

中学校のときの部活の先生が、卓球の魅力に目覚めさせてくれました。練習すればするほど上達するおもしろさや、パワーだけでは通用せず、技術を高めることで試合に勝てるようになるところが魅力です。また、年齢や体格などに関係なくプレイできる「生涯スポーツ」というのも良いところです。子どもと高齢者が一緒に汗を流して練習し、試合では熱い火花をちらして接戦を繰り広げる競技なので、何歳になっても楽しめる奥深さがあります。

──羽衣電機を選んだ理由を教えてください。

北田代表の当社は自己資本比率を健全な状態で維持できており潰れにくい会社です。」という言葉が一番インパクトがありました。ものづくりは初めての業界で、素材や道具などの知識もゼロだったので不安もありましたが、希望していた「手に職」と「安定」の双方が叶うと感じ入社を決意しました。入社後は製造部に配属となり、最初のころはモノの名前や置いている場所を覚えることさえも一苦労に感じていました。ただ、一人ひとりの距離が近くわからないことがあれば周りに気軽に聞ける雰囲気なので、先輩たちに教わったり、自分で学んだりするうちに担当業務に関するスキルもどんどん身に付いていきました。

個人プレーよりも、団体戦を愛す。ものづくりにも通じる道。

──普段の業務について教えてください。

品質管理として、寸法や動作といった確認作業を行なっています。重要な最終検査も任されているので責任は重大ですが、その分終わったときは大きな達成感を味わえます。漏れなくすべてのチェックが終わった後に、お客様に提出する書類を作成するといったデスクワークもあります。昨年から品質管理の部署に移ったのですが、入社後に製造部で学んだことを活かせる仕事です。

例えば、製造のときにお客様によっては「仕上がったときの造形」を大切にする方もおられることを知りました。最終検査でその箇所にも目を配ることができるようになったのは、製造部門で働いたおかげです。

──現在の仕事にも、みんなで勝利を目指した経験が活かされているのでしょうか。

ものづくりも個々の職人たちが技量を高め、チームワークでその力を発揮している世界だと感じます。中学校のときの卓球の先生が、「生徒たち全体の能力を押し上げる」という方針でした。先生が上手にまとめ上げて熱心に教えてくれたおかげで、みんなで全国大会へ行くことができたのです。そんな体験から「団体で強くなる」ことに重きを置いていたので、今でもその気持ちは強いと思います。

趣味に打ち込んだ分、仕事も頑張れる。メリハリをつけられる職場。

──卓球という趣味が、仕事へプラスに作用していると感じるときはありますか?

体力仕事もあるので、普段卓球で運動していることが役立っていると感じます。体を動かしていないと太る体質なので、健康維持の助けにもなっています。あと、もともと手先は器用なタイプだったのですが、ラケットの調整などを行なう中でさらにその特性が磨かれたので、細かい作業は得意です。趣味に打ち込むことで気持ちがリフレッシュされて、仕事にもより一層身が入り「頑張ろう!」という前向きな気持ちになります。趣味も仕事も、どちらも私にとって必要不可欠な要素です。

──羽衣電機に勤めておられる中で、どんなところに魅力に感じておられますか?

私個人としては「ワークライフバランスが整っている」のが最大の魅力ですね。休みがしっかりあり、メリハリをつけて働ける環境です。実は、前職の卓球ショップに勤務しているときよりも、練習や試合にかけることができる時間が多いので転職して満足しています。練習は週に1~2日程度、初心者からベテランまで約10名が集まり、ほのぼのとした雰囲気で合間の雑談も楽しいです。試合も月1~2回ほど出て、充実した日々を送っています。

──卓球以外に、休日に楽しんでおられる趣味をひとつ教えてください。

歴史関係の本を読み、教科書には載っていないような物語などに思いを巡らせるのが好きです。例えばひとつの資料からでは、「関ヶ原で負けた石田三成」しか出てきませんが、別の資料を読み解くことで、「恩義を感じた大谷吉継は、最後まで味方した」ことがわかり、人物像に奥行きが出ます。多面的に考察するのは趣きがありますね。