ハローワークからオウンドメディア、人材紹介会社など採用チャネルを拡大しつつ、「4つの採用方針」を軸にブレない採用方針を貫く羽衣電機。今回は採用基準や当社が大切にしている価値観などを北田代表に語ってもらいました。

今のメンバーたちを尊重し、新しい仲間に門戸を広げる。

──採用方針について教えてください。

当社が求める人物像は大きく4つあり、「ものづくりが好き」「元気良く挨拶できる」「好奇心が強い」「コツコツ真面目に頑張れる」という方を採用しています。これは実際に採用して活躍している方の特徴や私の考えを取り入れたもので、一貫して変わらない採用基準です。ただ、最初から全部を兼ね備えているという、会社にとって理想的な人材は決して多くありません。そこで、マストの条件として掲げているのが、「車やバイクのカスタムが好き」「プラモデルやミニ四駆づくりにハマった」といった、ものづくりに興味を持っている方です。その「好き」という原点がないと、当社の仕事を続けていくのは難しいですね。

──求職者の、どのようなところをみておられますか?

職務経歴の説明や自己紹介をしてもらう中でコミュニケーションを図り、話している内容や所作から人となりをみています。一般的な採用面接と大きな差異はないかもしれません(笑)。中途採用の方が多いので、これまでの業務領域や当社で転用できそうなスキルなども伺うようにしています。ものづくりの道を選んだ職人肌の方だけに、「コミュニケーションが上手」というより「製品を仕上げていく過程が好きで、完成したときにやりがいを感じる」という方がほとんどです。

──採用過程で「ご縁がない」と判断されるのは、どのようなケースでしょうか?

「現場で育てられそうか、現場に負担がかからないか」はとくに重視しているので、話していく中で良くない影響を与えそうと感じた方は採用を見送るようにしています。例えば、オンライン面接で「整理整頓が得意です」と話しているのに、映り込んでいる背景がぐちゃぐちゃであるなど言動不一致な方は、お断りするでしょう。自分の発言や行動が周りにどのような影響を与えるのかを考えてくださる方でなければ、チームにお迎えするのは難しいと思います。

技術者同士の共通言語に触れ、ものづくり魂を知る。

──面接時の印象と入社後で「違い」を感じることはありますか?

採用は面接だけではなく、筆記試験と適性検査も受けていただくことで総合的に判断しています。採用時の印象通りの方もいれば、「一般的な成長スピードだろうな」と思っていたら、入社後すぐにメキメキと頭角を現すタイプもいるので、人事という業務のおもしろさを感じます。あと、自分で感じているパーソナルな部分と適性検査の分析データが極端に食い違っている方もいますね。面接では構えて応えているためなのか、データのほうが正しいことが多いというのも、興味深いところです。

──「ものづくりが好き」という採用軸について、もう少し詳しくお聞かせください。

代表になる前から採用に携わっていますが、当時から現在まで大切にしている採用軸です。私自身は大学生のときに少し現場を経験したことがある以外は、営業や経営、人事などに集中してきたので、技術のコアな部分についてまではわかりません。ですので、採用のときは過去の業務経験を深掘りしながら、保有する資格などを教えてもらうことで技術のレベルを推し量るようにしています。

あとは「自分でパソコンを組み立てて楽しんでいる」「自動車をいじるのが好き」というものづくりに関するエピソードを聞くことも重要です。例えば、当社の技術者たちと空港に行ったとき、「あれはボーイングの◯◯!」と、飛行機を見てテンションが上がっていました。私にはわからない分野なので話に入れないのですが(笑)。

そんなとき、「やっぱりものづくりが好きなんだな」ということをあらためて実感できます。そのくらいの興味や関心がないと日頃から技術を極めていけないと社員をみて感じますね。

優しい雰囲気の組織の中で、常にチャレンジを。

──どのような方に応募してほしいと考えていますか?

スキル面についてはさまざまな仕事があるので、業務に応じて溶接や電気系の実績などをみています。タイプとしては、採用基準にもある通り、好奇心が強く「新しいことにチャレンジしたい」という方に応募してほしいです。ものづくりが本気で好きな人は、ほかの人がやっていることにも興味をもっているので、自然と技術習得に前向きになります。

また、「コツコツ真面目に頑張る」ことは、製造業の屋台骨を支える精神です。その上で元気に挨拶できたり、全体の雰囲気を考えてくれたりする方を求めていますが、最初は引っ込み思案な方も多いと思います。なので「人と話すのは面倒だから、ずっとスマホを見ている」という方だとさすがに難しいですが、「コミュニケーションが苦手でも、変えていきたい」という姿勢が見受けられる方には、積極的にお会いしたいと考えています。

──採用を通じて、どのような組織になりましたか?また、採用後のエピソードも教えてください。

もともと銀行員として働いていたこともあり、前職を辞めて当社に参画したとき、最初は「騙されているんじゃないか」と感じたほど優しい雰囲気の組織です。その社風は変わっておらず、先日もミャンマー人の技能実習生が技能検定試験を受ける前のリハーサルに、社員が付き合っているのを見かけました。テストに合格したので朝礼で報告すると、みんなでグータッチをし合うなど、お互いを思いやる風土が根付いています。

採用後のエピソードとしては、新人が入社したときに年齢が近い先輩たちにメンター的な役割を任せたところ、今でも若い4名のグループで仲良く教え合っています。優しい雰囲気の組織で、みんなが切磋琢磨しながら新しいことに挑戦する風土をさらに加速させるために、今後も採用に注力したいですね。